月忌参りとは、故人の毎月のご命日にお参りする習慣で、地域や宗派によってあったりなかったりします。
金沢では、真宗ご門徒が多いこともあって、この習慣が今でも生活に根差しています。
当寺でも、ボクと役僧T氏が月忌参りを平常法務としていて、日によって1~2軒から10軒ほどのご門徒宅にお邪魔しています。
長年お邪魔しているお宅も多く、そのお宅のだれかが結婚したり、子や孫を授かったりでともに喜び、入院したりすればともに心配させていただくこともあります。
たとえば、昨年10月にご門徒宅報恩講をお勤めした直後に入院されたT家の90歳の婆ちゃんがいます。
ボクが長年お邪魔していて、とても聞き上手で話し上手な方でボク自身もお邪魔するのが楽しみなお宅でした。
入院の知らせは、すでに嫁がれている娘さんからで、婆ちゃんは独居だったためその後の経過を知るよしもなく半年が経過しました。
ひょっとしたらもうお会いできないのかも? と心配していたところ、娘さんから電話をいただき、婆ちゃんは元気であること、さすがに独居は無理なので施設に入ったことを知らせていただきました。
あぁ、よかった! と思いました。
ついては、独居していた家とお内仏を処分するのでお参りに来ていただきたいとのことで、半年ぶりに婆ちゃんともお会いできそうです。
ボクや役僧T氏にとって、月忌参りは法務の基本であり、そこでのご縁から多くの学びや反省をいただいています。
そのお宅のご都合によって、早朝や夜にお邪魔するお宅もあり、軒数の多い日や土日祝でご法事があったりして日程調整に苦労する日もありますが、こういう日々のご縁の積み重ねを大切にさせていただいているつもりです。
合掌
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