小さくて大きなご縁
連休まっただ中、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
ボクは、そして日本中のお坊さんは、ご法事等の法務で走り回っています。
昨日のご法事では、こんなことがありました。
読経、そして感話を終えたと同時に、小学2年生の男の子が言いました。
「仏さんて、どこにいるの?」と。
感話にて、亡くなった方は仏さんと成り、身を持って我々に「一寸先に死ぬかもしれない今を生かされてあるのだから、その今を大事に精一杯生きてください」と教え、願っているという話をちゃんと聞いててくれたんですねぇ。
「仏さんはね、お浄土にいるんだよ。坊やたちは天国と言うかもしれへんけど、仏教ではお浄土て言うねん」と答えてあげました。
そして。
「そのお浄土は、電車や飛行機で行けるところではなく、とても遠いところにある。でも、そこに行って仏さんに成った君のおじいちゃんは、ずっと君のことを見てんねん。
そして、君がお父さんやお母さん、おばあちゃん、お友だちや先生を困らせたり傷つけたりしないか、命を大事にして一生懸命生きているかと心配してくれてるんや。
君はうれしいときには、いっしょに喜んでくれるし、悲しいときにはいっしょに泣いてくれはるんや。君はこのお仏壇やお墓の前で手を合わすときに、そんなおじいちゃんに胸を張っておじいちゃんを安心させてあげられるかな?」
「うん! ボク大丈夫や! ちゃんとがんばってるよ!」と。
「そうか! せやったらおじいちゃんは安心して君のこと見ててくれはるよ」
そんな会話をしました。
会話をしていて、ボクもとてもうれしい気分になりました。
興味を持ってくれたこと、質問してくれたこと、ちゃんと聞いてくれたこと、それもこんな小さな子どもがということが。
こんな素直さをずっと持ち続けてほしいし、この子が育った環境、つまり家族と家庭が存在することがとてもうれしいのです。
捨てたもんじゃない。
そんな言葉がありますが、嫌なニュースばかりの今の時代にあって、本当にそう思いました。
人は環境が育てるもの。やはりそう思います。
合掌
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