クッション
毎月の月命日のお参りですが、おばぁちゃんが一人暮らしです。といっても、すぐ隣家にには娘さん一家がいて行ったりきたりの生活をされています。
いろいろなお宅にお邪魔していますが、彼女はとても幸せそうに見えるおばぁちゃんです。
40代でご主人を亡くし、女手で子育てをされました。分家がいくつかあり、本家としての気苦労も大変だったと、今は笑って話してくれます。
そんな苦労を目の当たりにしてきた娘さんは、とても忙しい身でありながらも母親を大切にしている様子が見ていてとてもよくわかるんです。
また、おばぁちゃんは、それをありがたいことだと感謝しつつお互いいい関係を築いています。
このおばぁちゃんが言いました。
「年寄りっていうのはね、でしゃばってもだめ。でも引っ込んでいてもだめ。娘夫婦の間や、娘夫婦と子どもたちの間のクッションみたいなもんなんよ」と。
「言うべきことは言う。引くとこは引くのよ。だてに年取ってるわけじゃないんだから、年寄りはそれができるはずだもの」と。
なんだか、とっても説得力あります。
ふだん目に付くお年寄りは、多くは弱々しく息子や娘、孫の顔色をうかがっていたり、逆にわがままいっぱいだったりします。
なるほど、酸いも甘いも経験しつくしたはずの人生経験があるんですよね。
クッション。お年寄りにとってこれは最適のポジションかもしれません。
おばぁちゃんは、さらに「そんな年寄りと暮らした子どもたちってね、自然と人としての配慮も育つもんなのよ(笑)」と締めくくってくれました。
頼もしいおばぁちゃんです。これからもいろいろ教えてくださいね。
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