金沢の盆とキリコの意義
これは、金沢のお盆独特の風習であるキリコです。最近は板キリコが多くなってきましたが、キリコ本来の意味から考えると疑問を感じます。
キリコ本来の意味とは?
ズバリ献灯です。中におロウソクを灯してお参りするためのものです。そしてその側面に献灯した人の名前を記しておくのです。
しかし、板型になるとおロウソクが灯せません。そうなると、名前を書いた板でしかないわけですよね?
本末転倒とはまさにこのことであり、板型が主流になるのであれば、もはやキリコ本来の役割を果たしていないことになります。
そうであるからこそ、早めに行って自分の名を記した板を吊るすことが目的となり、盆でもないのにその前の週末に競って墓場へ殺到するという不可解な現象が起こるのです。
形を変えて残るものというものも多々ありますが、本来の役割や意味を失ったキリコもどきの板に関しては不要であり、お墓参りそのものの意義さえ見失ってしまいかねません。
金沢以外の場所では、キリコはありません。であれば、あなたのお墓にだれが参ったかを知ることはさして重要ではないということではありませんか?
金沢の盆の風物詩だというのなら、本来の形のキリコを使用し、献灯に用いましょう。板に書いた自分の名を残すことへの執着ならやめましょう。
ただし、キリコにおロウソクを灯す場合には、おロウソクを立てる釘に一枚の葉をかませてください。そうでないとキリコが燃えてしまいますから。
最近のコメント