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卵と壁、自覚と信念

Dsc02007作家の村上春樹氏がイスラエルの文学賞である「エルサレム賞」を受賞され、現地ににてスピーチを行いました。

その際、戦争を生む社会システムを「我々を守る一方、時には組織的な殺人を強いる『壁』」と呼び、人間を壁にぶつかると割れてしまう「卵」にたとえた。ただ、卵は個性を持つかけがえのない存在であり、自分は「常に卵の側に立つ」と同国の侵攻について述べました。

また、「壁は高く勝利が絶望的に見えることもあるが、我々はシステムに利用されてはならない。我々がシステムの主人なのだ」とも述べ、各方面から賞賛されていますね。

氏は、周囲から受賞を辞退し現地へは行くべきでないと言われたが、「作家は自分の目で見たことしか信じない。私は非関与やだんまりを決め込むより、ここに来て、見て、語ることを選んだ」と述べたとか。

眼から鱗が落ちるような言葉であり、作家として、人としての揺るぎない信念を感じます。戦争ができる国を「普通の国」と定義し、憲法改正、再軍備を目指すこの国の壁たちには村上氏のこの言葉を熟読していただきたいものです。

大臣が酒に酔って記者会見なんぞしてる場合じゃないですよね、本当に(苦笑)。どれだけ言い訳しても、泥酔した経験がある人、泥酔した人をみたことのある人ならあれが泥酔であることは容易にわかりますもの。

でも、大事なのは壁を批判することよりも、我々ひとりひとりが卵である自覚と信念を持つことだと思います。村上氏のコメントは、自分が卵である自覚と、いつでも壁にぶつかっていける信念があってこそだろうと感じます。

<今週の予定>

2/21>休務日

2/22・23・25・26>終日~月忌

2/27>午前~月忌・午後~寺務

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多事想論」カテゴリの記事

コメント

今日は、またお邪魔します

自覚と信念のお話、本当に同感いたします。
小生は不勉強で、村上氏の本は一度も読んだ事がありませんが、彼のスピーチには感心しておりました。

貴ブログで、実に適切なご住職の解説を読み、更に一層理解が深まりました。
「戦争は罪悪である」と唱え、教団から不当な処分をされた竹中彰元師の名誉回復が戦後長らく放置されて
いた様に、無自覚・無関心の積み重ねが今日的社会風潮となって良識を駆逐してしまうのでしょう。

安穏な生活にどっぷりと浸っている者や政権にしがみつく権力亡者ほど、自分が卵であると自覚しない人々なのでしょうね。ひょっとしてゆで卵???
だったらもう死んでいますね。人間として。


投稿: 東京おくりびと | 2009年2月21日 (土) 11時11分

おくりびとさん、こんばんは。返信が遅くてすみません(汗)。

村上氏の著作、ボクも2、3冊しか読んだことがないのですが、正直言うと今回の発言をされるような方だというイメージはなかったんですよね(苦笑)。

だから、よけいにビックリしましたし、そのギャップもあってかすごく関心を持ってニュースを読みました。

本当は皆が卵でありながら、壁を作り、それを守るためにより高く固い壁を作ろうとし、自分が卵であることを忘れているのかもしれません。それをゆで卵と表現するのっていいセンスですね♪

投稿: Kei@住職 | 2009年2月23日 (月) 21時32分

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