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Y家のじぃちゃん

Dsc01387先週Y家のじぃちゃんが亡くなりました。Y家には、毎月の月忌参りに行っていただけでなく、当寺とは深いご縁のあった方でした。

といっても、とても信仰の厚かった方というわけではないのです。というのも月忌に行ってても、テレビを見たまんまでいっしょにお参りするというわけではなかったのです。

しかしながら、当寺の報恩講などで供されるお斎の食材のサトイモをはじめ、春にはイチゴ、夏には桃、梨などを提供し続けていただきました。また、数年前までは、それでも寺に来てはお酒を呑み、ともに楽しい時間をすごしていました。

数年前からY家のある在所では区画整理が始まり、Y家は田畑のほとんどを整理されたようで、それまではお参りに行ってもじぃちゃんも、ばぁちゃんも田畑へ行っていて無人のお宅で読経していたものです。

この区画整理にによって、じぃちゃんはいつも家にいるようになりました。そして「わしゃ、なぁんもすることがない」と笑っていましたが、大病を患い入退院を繰り返すようになり、大好きだったお酒も呑めなくなりました。ここ一年ほどは、食欲がないとどんどんやせ細っていき入院、そしてご往生。

区画整理がいいのか悪いのかはわかりません。しかし、結果的に農家に生まれ育った人から田畑を取り上げてしまったことになります。むろんそれが本人の意思であったとしても。

「百姓には、土曜も日曜もないわい」と言った方がありました。自然を相手に働くのが農業であり、ついでに言えば定年もありません。本来、日本は農業国でした。だから、ボケるヒマもなく死を迎えるその日まで働いたという説もありますが、それはともかく。働かず、日がな一日テレビを見て暮らすことは楽でしょうけども、人として生きていることにはならないのかもしれません。

Y家のじぃちゃんがずぅーっと農業をしていたらもっと長生きしたか? それはわかりません。でも、ボクはいつも農作業で日焼けし、ゴツゴツとした手をしていたじぃちゃんだから、本当にうまそうにお酒を呑んでいた姿を知っています。ただ、さまざまなご縁あって生き生かされてあるボクらは、そのご縁によってさまざまな道を歩むということであり、そこに悔いを残さないよう精一杯生ききるだけなんですね。じぃちゃんと出会えたご縁にボクは感謝してます。

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法務あれこれ」カテゴリの記事

コメント

外環状道路が出来て、ウチの近く田上や大桑では、ほんとに田んぼが無くなりました。これまで、自転車であたりをブラリ回ってくると、田畑では季節の変化が目を驚かせ、新鮮な空気をいっぱい吸って、心身をスッキリさせてくれました。

便利になった反面、クルマの巻き上げるホコリや排気ガスが気になるようになりました。

投稿: 風鈴 | 2008年3月26日 (水) 11時18分

そうですね。大桑あたりはこれからが桜、桃、梨の花が順番に咲いていくきれいな場所でした。それも、もう過去の話。当寺発祥の地であり、先祖代々、深いご縁を結んできたばしょだけに寂しいし、発展とはなんだろう?という疑問が沸いてきます。

なにもかもをコンクリートとアスファルトで固めた街に、どんな人間が住むのかは、連日垂れ流されている悲惨なニュースが伝えていますよね。

投稿: Kei@住職 | 2008年3月26日 (水) 21時12分

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